標題のコースは、釈迦新道からの本峰、室堂・南竜を通り別山からのチブリ尾根という市ノ瀬起点の大周回。
私がこの白山ワンデイ最長周回コースを長年避け続けてきたのは、ど~考えても歩ききる自信がなかったから。
しかし最近いろいろ考えることが有って、ダメならダメでもいいからと挑戦してみることにした。
そしてこの日、日本でいちばん暑かったのは梅雨明けも同然の白山麓、小松だったという。
もし、白山がそのままのお天気であったのなら、今回の私のチャレンジは一体どうなっていたことやら・・・。
つまりは白山山頂部のみをすっぽり覆った、この天然クーラー設備(?)のおかげでチャレンジが成しえたのかも知れない。
釈迦新道から湯の谷を見上げる。
このあと白山頭上の雲を越えて、まぶしい朝日が差し込んできた。
市ノ瀬(3:47)- (4:42)登山口- (5:29)水場- (6:43)前釈迦- (7:12)水場(7:25)- (8:57)七倉辻- (9:47)大汝峰- (10:47)御前峰- (11:08)室堂(11:52)- (12:50)南竜- (13:43)油坂頭- (15:00)別山(15:11)- (16:14)チブリ小屋(16:26)- (17:29)水場- (18:07)登山口- (18:26)市ノ瀬
あのチブリ尾根までホントに行けるのかな?
今日はいい天気の一日になりそうだ。
やはり行程を考えると、知らず知らずのうちにペースが早くなってくる。
釈迦の登りでなんとなく足が攣り始めの気配!
ぺ、ペースを落とせ~・・・。
先月末よりも登山道整備が進んでいた。
が、難しい注文なのかもしれないけど、けっこうお花も一緒に切られてしまっている。
水芭蕉は終わり、リュウキンカが少しだけ残っていた。
一株だけの、オオサクラソウの蕾も見つけた。
朝日の差し込む釈迦新道、右奥の別山は雲が一時的に取れていたがすぐにまた覆われてしまった。
んなコト言ったって・・・残念ながら内なる声に応えるコトなど出来ない。
しかしこのオオサクラソウの画像時間は 8:03 。なんとこの時間で花がまだ開いていないとは・・・。
発見! 看板に偽りあり!!
いや、だ~か~ら~、そんな暇が・・・。(^^ゞ
七倉の辻手前あたりから下山者とすれ違うようになる。
釈迦新道では半袖姿だった私の目からは、なんでみんな合羽着てんの?
状態だったが、登るにつれ皆さん口々に言われるように、強い風と風に含まれる霧の水滴の仕業に納得。
御手水鉢水面の、強風による小さな揺れが分かるだろうか?
![イメージ 23]()
![イメージ 24]()
![イメージ 25]()
![イメージ 26]()
強風とガスの中、いよいよ白山最高峰2702mへと向かう。
![イメージ 28]()
![イメージ 29]()
![イメージ 30]()
![イメージ 31]()
![イメージ 32]()
![イメージ 33]()
![イメージ 34]()
![イメージ 35]()
![イメージ 36]()
![イメージ 37]()
高さ五メートル以上の、巨大スイカバー(一説には白くまクンだとも)が直立していた!
今日の実質的な最後の登り油坂をこなすと、また雲の世界に逆戻りだ。
![イメージ 40]()
![イメージ 41]()
![イメージ 42]()
![イメージ 43]()
![イメージ 44]()
![イメージ 45]()
![イメージ 46]()
そして別山へと到着。
もし別山平がニッコウキスゲで黄色く染まっていたら、日没覚悟でもう行くしかなかったが・・・幸い?なことに降りる必要はなくなったようだ。ほっ・・・助かった。
膝に優しくはない激下りを、ストックでカバーしながらこなすと、チブリ小屋で見上げた別山にはまた雲がかかっていた。
![イメージ 50]()
![イメージ 51]()
本峰の頭の雲はまた厚みを増してきたようだ。
![イメージ 52]()
![イメージ 53]()
![イメージ 54]()
![イメージ 55]()
長袖に着替え、遅ればせながら手も冷え切っているのに気が付いて手袋も着用する。
寒くて視界もほとんど利かない状態は普通の山登りだと困りモノだが、今回に限って言えば自分はおおいに助けられていると感じられた。
まず寒いのは汗かきのワタシはとても嬉しいし水分の消費が少なくてすむ。第一暑い時との体力の消耗度が段違いだろう。
そして視界が無いってコトは残りの距離も不明なので、いつのまにか当面の目的地に着いてたりする♪
歩く前には相当覚悟していた大汝峰だったが、そんなワケで意外なほどあっさりと登れてしまった。
寒さとガスには助けられたが、風は半端なく強い、涙は出るし鼻から入り込む風に頭がキーンとなる。また眼鏡には霧の水滴が付着しまくりで使い物にならず、結局外すことになった。
大休止の予定だった大汝だが、そそくさと風に顔をそむけながらの山頂通過となった。
歩きなれている筈の道も、視界がないと簡単に間違いそうになってしまう。
距離にしてたったの20mの雪渓渡りで方向を誤りそうになった時、まだ雪の残るというトンビ岩コースが心配になってきた。
最後の登り手前でコーラとゼリー補給(10秒チャージのヤツ)。
なるべく立ち止まらないようにしてゆっくりと歩を進める。
いつもと反対方向からの山頂が新鮮な感じだ。
よ~し、御前峰登頂。全行程の半分をこなしたことになる。当たり前だが残りは下り基調なので気が楽だ。
さて、いまの時間は・・・っと。
実は私がよくやる作戦なのだが、釈迦新道のお花畑あたりから時間を見ないことにしていたのだ。
正午を30分過ぎていたらコースの見直しを含めての再検討決定!
11:30 あたりで御の字だったのだが、これは自分でも「え?、え?、ええ~っ?」の時間だった・・・。
お昼まで大分あるこの時間では、当然ながら次々と登ってくる人たちへの挨拶は大変なコトに・・・。
お昼ご飯は当初予定通り室堂でのカレー、しかしまさかの大盛りがフツーに食べれてしまうとは想定外・・・疲労困憊で無理やりお茶で飲み下すイメージだった。
わが身が、いかに天然クーラーの恩恵を受けていたかが分かろうというものだ。
たっぷりの食事とた~っぷりの休憩時間をとって、イザ南竜へと出発~。
そしてここからは秘密兵器(?)の投入となった。
普段のワタシは『ストックは使わない派』なのだが、ダメージの蓄積した足の下り補助になる筈だと持ってきた。
以前、室堂から南竜への下りを30分強でこなした記録があったが、ストックがあれば今回も可能ではなかろうか?
あ、あきまへん~・・・。
お池めぐりコースの雪渓渡りどころではない広さでトレースもあいまいだ。
一度雪渓の大きさを見ようと適当な方向に進んでみたが、先は見通せずに引き返す。
仕方がない、雪渓の渕を歩いてぐるっと回ればどこかで登山道に出くわすだろう。
中央部を突っ切って行きたい心境を抑えて、まずは下方へと雪渓の渕を下っていく。
すると、その方向にあっさりと登山道が・・・。ありゃあ~。
あ、危なかった・・・。
そこかしこの白山シャクナゲを見ながらハイマツ帯の登山道をトンビ岩をかすめて下っていく。
取りあえずストックは、靴スキーにおおいに役立ってくれた。(^^ゞ
雲の下に出てしまえば視界は良好となる。
結局南竜へは一時間をかけたが、一時は他のコースへの回避までも考えたのだから十分だろう。
この湿原のハクサンコザクラ大群落は、すでにほとんど終わっていた。残念!
と、思いきや天池まで来ると晴れ間が見えてきた。
雲間から浴びせかけられた朝以降はじめての陽光に暑さを感じる。しかし断続的だった雲の切れ目もそのうちすっかりと無くなり、最初感じた陽の暑さも少しなじんでしまえばこの標高だし風も有るので涼しい。
私の一番大好きな稜線闊歩はお日様の下で、次々と入れ代わり立ち代わりするお花たちを愛でながら進むことになった♪
そして本峰方向の雲も取れかかってきたように見える。
中央奥は御舎利山。
私の向かう別山方向にはすっかりと雲は取れている。
南竜ではつれなくフラれたハクサンコザクラが、思いがけずに現れてくれたのはとても嬉しかった。
南竜ではつれなくフラれたハクサンコザクラが、思いがけずに現れてくれたのはとても嬉しかった。
やっぱり花にはお日様だね ♪
振り返るたびに本峰の雲は取れていくが・・・。
長大なチブリ尾根を見下ろす。
三の峰方向を見下ろす。
別山平左端手前には御手洗池が見える。
追記/同じ日に別山平へ訪れた方の表現では、一応それなりには咲いてるが今年は不作?かな・・・とか。
小屋にはふたり、別山平から帰ってくるというふたり、そして下山途中で登ってきた三人。
計七人がお泊り。翌日の平日に帰ってもいいとは羨ましい限りだ。
チブリの巨木の森を抜けて、私の長い白山チャレンジの一日は終わった。
クルマを見た途端、がくんと膝が崩れた。
いや~、別山平なんぞへ行ってたら絶対にヤバかった・・・。(^^ゞ