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Channel: 越前 ひとり山 ある記
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荒島岳 バリルートふたつが一兎も得ず 4/12

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実は先月、不注意で膝の故障を起こしてからずっと違和感が消えなくて、こりゃ困ったコトになったと・・・。
ええ~いままよ!
で、快晴の今日、人気も多い荒島岳を登りはじめてみたら特に異常は感じなくて、ほっと一安心♪
調子に乗って、温めていたバリエーションルートを繋いでみたがちょっと中途半端に・・・。


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元々は膝を痛める前に挑戦しようとしていた『ヒメマチ稜』ルート。
完全に賞味期限切れであえなく横谷へ逃げるコトに。


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チャリを真名川ダムにデポ。
笹薮地獄に荒島山頂すらもあきらめ、モッカ平を目指したがやはり時間不足でその縁を通過したのみ。


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赤が登り、黄色がヒメマチ稜、青は下り。        (なお、ルートは手書き)

勝原登山口(7:13)- (9:56)シャクナゲ平鞍部- (11:07)ヒメマチ稜基部/横谷出合- (12:00)ヒメマチ稜線- (13:05)横谷下降-
(13:40)南尾根- (15:40)P1209- (16:02)P974- (17:09)渡渉後林道- (18:19)真名川ダム




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膝がまた腫れ上がってきたらどうしよう・・・運転しながらウダウダ考えていたコトなんて、登山口では消し飛んでいた。久しぶりの山にウッキウキ、ランランラン~♪ だ。

旧リフト降り場でアイゼンとストックを出したが、トトロ君あたりで一時外さなくてはならなかった。
(勝原道のオーバーユースの現状を考慮した地元民としてのコトで、普段は絶対こんなヤツでは無い)


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う~ん、いつ見ても白山はいい!


 
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シャクナゲ平手前ピークから巻きに入る。左の稜線はモチが壁あたりになるのか、歩く人が見えた。

谷を歩いて直接鞍部へ向かうと、アップダウンや距離がラクになるのと登山道以上の展望が得られるメリットが。
山スキーヤーに独占させる手はない!でも、視界が開ける程なんで樹林がまばらなのかも考えると・・・。



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シャクナゲ平鞍部にさしかかると登山道を行き交うヒトがいなくなるのを見計らい、(^^ゞ 反対側の斜面へと駆けだす。下る途中右方向へトラバースして『ヒメマチ稜』の稜線を見通してみる。
やはり・・・雪は少なく特にヒメマチ稜そのものには全く雪は無い。
そもそもどっから稜線に登るんだ? とりあえず第一から第三くらいの登路の目星はつけておく。

さらに谷を下っていくと早くも滝の音がする。



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たった350mの下降にいくつかの滝。沢登りにも面白いかなと思っていたら横谷すぐ手前でラスボスの大滝!
しぶしぶ20mロープ(6㎜)とハーネスを出す。しかし昨夏以来なので締め方からしてすっかり忘却の彼方。手間取るコトっていったら・・・。



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エライ時間をかけてのやっとの通過。横谷を見上げる。
少し横谷を上ると左手には緩い斜面が・・・し、しまった~。コッチへ乗り越してればラスボスはスルー出来た!

ヒメマチ稜への登路第一候補・・・んなもん行けるか~、却下~。



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却下となった第二候補。第三候補は最後には雪も切れるようだが、よ~し、これだ~♪
しかし逆に最後の急斜面には緩んだ雪面はイマイチ信頼しきれず、沢登りと同じように岩の隙間からの小さな灌木や根っこにわが命を託す事にした。


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稜線へと乗り上がるとき、あろうことか横の木に少し手をふれただけで、突然木々の上に載っていた最後の雪庇の名残である大きな雪の塊が落ちていった。つい今しがたまでワタシがもがいていた急斜面を・・・。
どっしりと重量感あふれていたアノ雪塊は、決して見かけ通りには安定などしていなかったのだ。
見かけだけに騙されてはいけないと、よくよく理解が出来た。

おそらく積雪期には間違いなくナイフリッジと化す稜線は、みっちりと薮に覆われていた。



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きわどく雪の残る部分もあと二日くらいのモノだろう。後ろはシャクナゲ平から小荒島までの稜線。

シャクナゲ平の後ろに経ヶ岳。
冒頭画像のヒメマチ稜ピークまでは下降途中で見えていた通り、けっこうな積雪が残っていて助かった。しかしやはりピークそのものに全く雪は無く、もうやぶこぎにはうんざりしていたので横谷へと逃げることにした。



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崖に等しいような急斜面を、うまいこと点在する灌木を利用してなんとか谷へ降り立つ。
降りている途中に対面の斜面から、盛大な音と勢いでトン単位の雪塊や大きな岩が崩れ落ち、谷を滑り落ちていった。


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もうすぐ荒島岳南稜だ。振り返れば息を呑むような爽快な風景が広がっている。

左手前のピークがヒメマチ稜。


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しかし、やっとたどり着いた主稜線は笹薮地獄だった。
荒島山頂に向けて進むが、雪の重圧から解放されたばかりのチシマザサは登りでは最凶のストッパーとなる。
もう精根尽き果てて、遅い時間ながらも一縷の望みはあったモッカ平方向は、完全にあきらめた。
笹に邪魔されながら二十分ほど頑張ってみたが、百mも進んでない。山頂までまだ五百m以上あるのに・・・

ふと、稜線の反対側を覗きに横歩きすると・・・や・や・や! 真っ白な山とずっと下の足元には雪庇の名残。
あの山は縫ヶ原山だな。するとその手前ピークが、あきらめたモッカ平へのJP・・・あそこまででも十分だけど。

足元の雪庇の名残からルートを目で追ってみると、雪面は全然オッケーみたいだ。あきらめを決断したやぶこぎもほとんどなさそうだ。
時間は丁度二時。こちらも真名川ダムへ帰り着くだけなら、問題は無いだろう。



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ってことで、先ずはあのP1208までは行ってみようか~♪

巨大な雪庇がずたずたに寸断されて、まるで大型バス同士の多重衝突現場の上を歩いているような感じのところも。左は鋭角に切断された雪庇が高さ10m近くのナイフエッジとなっていた。
荒島山頂部の笹の露出はかなり上部まで続いているようで、コッチに転戦してよかったと胸をなでおろす。


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JPへ向かって歩いていると、突然ヘリが出現。ここでホバリングした後、東へと向かったかと思うとまた戻ってくる。このときはへり後ろの東稜からの滑落救助あたりを考えていたが、ニュースでは、私のすぐ足元の荒島谷の斜面を登っていての落石による滑落だそうで、お一人が亡くなられたとのこと。
ついさっきの私が学んだ「危険」が具現化していたわけで、とても他人ごとではない。
ご冥福をお祈りいたします。

へりの爆音に追い立てられるようにして、JP1208へ到達した。
このままダムへ向かうこともできるが、まだ少し時間はあるようだ。谷を挟んだ向かい側のモッカ平の縁の尾根を帰路としよう。


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 快適な雪稜歩きの後は、意外と早く雪が消えてしまった。
結局またもやとなるやぶこぎに苦労し、地図の読み込みが足らず計算外の渡渉で片足を濡らしてしまっての林道合流で、やっと気持ちを落ち着けることが出来た。
どこから出現したのか、渡渉直前からあったトレースを辿りながら、ほとんど夕闇間近といった雰囲気のダムへと帰り着く。

ああ、これからまだ勝原までのチャリ漕ぎがあったんだ~。 (^^ゞ



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