んなら、晴天率の高い地方で山登りすればいいのではと考えた。
鈴鹿山脈なんてどうだろう? 最高峰の御池岳もここから意外と距離は無く、少し白山よりは遠いかという程度。予報もバッチリということでココに決まりとする。
うひひ・・・青空の下を歩けておまけに積雪は少ないなんて、まさにイイとこ取りの雪山~ ♪
よし、稜線歩き好きのワタシとしては最初から鈴鹿山脈の県境稜線踏破も視野に入れとかないとな!
・・・・・しかし、そんな考えは甘かった。
意外な雪量、まさかのガス、着雪まじりの霧氷と雪庇が稜線の強い風を物語る・・・。
山口ゲート(7:01) -(8:33)トレース終了点 -(9:10)トンネル -(10:50)県境稜線 -(11:58)鈴北岳 -(13:52)トンネル -(15:31)ゲート
家から関ヶ原手前まで下道で二時間弱、ずっとワイパーが動いていた。
しかし高速をくぐったころからお月さん、ほっとする。
駐車地手前のコンビニで出発準備を整え、R306ゲート前に入ると名古屋№が二台。一台は前泊したようだ。
まさに期待した通りの穏やかな青空、でもこちらではコレが当たり前なんだ・・・。
知らない山域ながらも県境歩きを色々考え、結局家に残したメモには山口から御池、聖宝寺下山としてきた。
雪の無い、凍り付いた通行止国道を歩き始める。
先行者の一人が用事が出来たとかで引き返して行った。極上の雪山を目前にしてさぞ悔しかったことだろう。
この日の二人目として単独先行者のトレースをたどる。
と、突然トレースが反転、少し戻って脇の斜面を登り始めている。
どうやら正面の谷が登山道のあるコグルミ谷らしい。私の持っている情報でもこの尾根から登るとなっていた。
さて、GPSで確認しようとしたら・・・ありゃあ、な、無い。落とした覚えはないので車に置き忘れてきたのだ。
ラッセル泥棒を続ける限りルーファイの必要性はおそらく無いが、こんな自分を甘やかしてはいけない。
よし、罰としてラッセルコースに変更だ。
このまま鞍掛峠まで進み県境稜線を歩いて御池岳へと向かうのだ。
このお天気で視界は良好、心配するようなことは何もない・・・・・・・・・・・はずだった、この時点では。
やっとこさトンネルだ。おいおい取り付き前でもうとっくに九時回っているし、なんか思ったより雪深くねえか?
山頂に間に合わないと元も子もなくなるので左の尾根を登り始める。
やっぱし雪が深い!
と、思ったが下まで踏み抜いたらせいぜいが四十㎝程度、それも下まで全部が新雪みたいに見える。
成る程、太平洋側の低い湿度の中の湿り気の無い雪、つまり乾雪ってワケだ。なので北陸の雪のように違う雪質層が積み重なってたりはしないのだろう。だとしたらサンクラスト層でしか表層雪崩は起きないのかな?
それにしてもなんて素晴らしい青空なんだ。地元じゃ荒れた天気だというのが信じられない。
稜線に出たらサングラス出さなきゃな。
おし、県境稜線に出たぞ。へ~、雪庇ができるのには湿雪も乾雪も関係ないんだな。
あれ? なんか周りが暗いぞ・・・。
県境稜線に立ち、後方の伊吹山を望む。
天気予報では雲が出てくるのは午後遅くなってからのはず。
おそらくこの雲は鈴鹿山脈にかかっているだけだろう。
進む方向の空は真っ暗だが、左方向の三重県上空はまだ青空だ。
稜線上は風のおかげで雪面が締まっているところが多く、ラッセルの後だけに格段に歩きやすくなった。
しかしその雲の下から滋賀側を透かして覗くと、まだ日が差しているようだ。雲は頭上だけということか・・・。
もし鈴北まで行ってガスの世界だったら、GPSを持たない身ではテーブルランドと呼ばれる山上台地を歩くことは無理だろう。晴れてくれよと念じながら一歩一歩と歩を進める。
風の中を重そうな霧氷樹林を避けながら登り、ぎりぎりお昼前には鈴北へと到着したが、やはりガスの中ではこの先へは進めそうになかった。
帰りに国道へのショートカットも考えたが、歩いてきた国道の法面(崖)をみているだけに、いつもの「どこでも下山」はうかつにはできない。おとなしくピストンとしよう。
敗退となった御池に未練たらたら降りていくと、ビックリ。なんと私のトレースを辿ってくる人がひとり・・・。
まさか三重側からはありえないと思ったが、やはり滋賀側からの尾根だという。
御池までかと期待して尋ねると、こんな時間だし私と同じ鈴北止まりでピストンにするそうだ。残念!!
時間もたっぷりあるのでお昼もゆったりと。
風を避けて雪庇の下に椅子とテーブルも用意した。
替え玉のそばをすすっていてふと鈴北を見ると、あれ?ガスが取れてるよ・・・。
あの人はどうしたのだろう。
「冬季通行止め」なのになぜ信号が点滅?勿体ない。
見事なロールケーキが路上に放置されていた。これも勿体ない?
三時半に駐車地へ戻ったのだが、後続車も含めてもう一台も止まってなかった。
ココって、けっこうハードル高いと思うけど、みんな早や~ 。
PS : 鈴鹿山脈、県境稜線歩き。
今年からコレでいこうかな~