貧雪とまで言われている今年だが、さすがに越美国境は甘くは無かった。
時計回りの周回 (朝の林道歩き部分はGPSの電源入れ忘れ)
駐車地(7:07)-(7:47)芋ヶ平-(8:47)取り付き(9:02)-(10:10)主稜線-(11:12)ガンドウ尾根核心部(11:22)-(12:12)雪壁直前のぶな林(12:29)-(12:52)山頂直前のクマ?-(13:23)金草山頂(13:33)-(15:01)権現山P1143-(15:37)高倉峠-(16:50)林道着地-(17:45)チャリデポ地
(地名は、すでにワタシの指南書ともなっている「福井の雪山Ⅱ」からの引用)
歩き初めの気温はマイナス三℃。
放射冷却の冷え込みだが、晴れ予報との引き換えなら我慢もできると言うものだ♪
期待していた「芋ヶ平」までの除雪は無かった。
しかし固く締まった雪面に感謝! 取り付きまでを快調に進む。
林道上にできていた階段状の氷。
「貧雪」のおかげ(?)で、行きも帰りも林道上の危険箇所は全く無かった。
越美国境を歩くことが主目的である私は、情報によって分かっている余計なアトラクションは避けるべく、金草山頂へ直接突き上げる尾根の取り付きまで林道を歩く予定だった。
が、予定ひとつ手前の尾根末端に赤テープとトラロープを発見。お~、これはもしや登山道なのか?
貧雪によるうっとーしいヤブ尾根歩きが避けられるのはとても魅力的だと、トラロープに誘われるまま予定外の尾根を登りはじめてしまった。
おいおい、ここって、登山道じゃないのか?
林道歩きの締まった雪面から一転、ふわふわふかふか雪歩きとなる。しかも雪量が少なく踏み抜きにも難儀する。しまった~、こんなことなら初心貫徹すりゃ良かった~。
踏み抜いて枝に絡まったスノーシューのすぐ横では、シャクナゲの花芽が春を待ちわびていた。
その後順調に主稜線へと接続、斜度もゆるんできた上に樹林を通して周りの山々も見え始てきた。いい感じ~。
只、気がかりな点がひとつ。
例の「福井の雪山Ⅱ」によるところのナイフリッジ、「ガンドウ尾根」核心部は果たしてどんな感じになっているのか?
ま、貧雪だけに大したコトにはなってないとは思うが・・・。
実は晴れ予報の割には空の青空部分はこ゛く小さく、少し増え始めた新雪歩きにもモチベーションが下がり気味だったところへ、真っ白な白山や金草岳が姿を見せてくれるようになって再びモチベーションも高まってきたところだった。
「ガンドウ尾根」核心部は、知らぬ間にもう過ぎてるんじゃないのか・・・などと思い始めた矢先だった。
あ・・・あれは・・・。
ま~見事なナイフリッジ・・・・。
直前で作戦タイム。ついでに大休止。ど~せなら食事も。
ん~、なかなか進む踏ん切りがつかない・・・。一時は本気で撤退も考えた。
ナイフリッジとは言え、ここ二三日の新雪でソフトクリームのように積み重なった柔らかい雪稜だ。
その柔らかい激急斜面トラバースとなると、股まで沈む可能性のあるアイゼンの選択は無い。
スノーシューを斜面に打ち込むようにして進むことにする。
息を整え最初の一歩。
わわっ、雪の中の枝が邪魔をする。
・・・・たったの十歩ほどに、丁度十分をかけた。
ほ~~~・・・・・・。
おめでとう。通過だ♪
自分をほめてあげたい気分なのだ。
きた~。
さらにガンドウ尾根では、固い雪面とその上の厚い新雪層のコンビネーション攻撃にさんざんてこずった小ピークをなんとかクリア。ついに山頂手前のぶな林へと到達できた。
ご褒美に、山の神様から霧氷と青空だ!!
登るほどに急傾斜となるルンゼに向かうと、先ほどの小ピークの二の舞となるのは確実だしなにより無木立の急斜面は雪崩が恐いので、尾根まで低木を伝うようにして斜上することにした。
枝を引き寄せながら、えっちらおっちらとまぶしい太陽の下の稜線に登りあげた。
澄んだ空気の中の距離感に自信が持てないけど、最初見たときには一瞬馬かと思ったほどの大型獣た゛。
まさかと思うが、あれってクマじゃないだろうな~ ???
え~い、もうなんだっていいや!! ここまで来ての撤退などはありえない !!
でも本当にクマだったらどうしようかと不安を抱えながらも登っていくと、その場所には少なくともクマではない足跡だけが残されていた。ほっっ。
いや~、けっこう時間かかっちゃったな~。
やっと金草岳山頂だ ♪
越美国境を冠・若丸・能郷白山方向。
待ってろよ~、近いうちに歩いてヤルぞ~。
この山行本来の目的、高倉峠までを歩く越美国境方向を望む。
左ピークが笹ヶ峰。中央奥が上谷山だろうか。
・・・にしても、実際歩くとアップダウンが大変なのに、なんで上からだと平坦でラクそ~な従走路にしか見えないんだろう?
そして白山。
午前中に邪魔をしていた雲は、すっかり消えてくれた♪
今日もその姿をありがとう。
振り返れば白山をバックにまばゆく金草岳。
おかげで高倉峠へも心配したほどの時間はかからなかった。
右下に高倉峠を見下ろす。
左奥笹ヶ峰手前の台地状ピークまで、峠から三百mほどが未踏の越美国境となる。
今それほど時間的に難しい訳では無いが、今回は未踏として残すコトにしておくつもりだ。
「沢登り」での踏破を目論んでいる。
快適な下山路。
古道として地形図にも記載はあるが、無雪期に歩くことは困難な状態だと思われた。
いにしえの堰堤があった。
日没と同時にチャリが待つ瀬戸へ、思ったほど進めなかったクルマまでは十分とはかからなかった。